2014年の診療報酬改定で「胃瘻の造設」が話題となっています。
胃瘻とは、口で食べることができなくなった方が栄養をとるために、お腹から直接胃に管を通して栄養を送る方法です。
通常、口から食べ物を食べることができなくなったら、経管栄養(鼻から管を通す)か胃瘻造設術を行います。
今回の改定では、胃瘻造設術の報酬が大幅に減額されています。
また、胃瘻の方の35%が経口摂取(口から物を食べること)へ1年以内に変わらないと、胃瘻を造設する施設として認められない要件が作られました。
経口摂取が困難であるからこそ、胃瘻を作るのがほとんどです。それを35%以上の方を経口摂取に変えるのは非常に難しい。
決して、胃瘻を肯定も否定もできないが、はっきりしていることもある。
「口で物を食べる」ということは、健康な人間が今まで当たり前にできていた動作ということです。
その動作が行えるか行えないかで、その方のモチベーションは大きく変わります。
モチベーションは「生きる」糧となります。
厚労省が胃瘻造設術の報酬料を下げ、35%という高いハードルを設定したのは、胃瘻になった方と経口摂取になった方の予後(将来どのような経過を辿るか)が変わった背景があると思われます(あくまで主観です)。ただ、35%は高すぎる。。。
その予後を大きく左右するのはモチベーションの存在が大きいのではないでしょうか?
今回の改定では、「胃瘻をなるべく造らない」方向性へと導いているように感じられます。その背景にはモチベーションの存在が隠れているかもしれません。
そして、そのモチベーションは「食事」だけでなく、「排泄」や「入浴」などにも同じことが言えるではないでしょうか?
モチベーションの存在を捉えることが、胃瘻から経口摂取に変える目的であるのではと考えます。
それは、リハビリテーションにも通じるところがあると思います。