訪問リハビリをしていて、目の当たりにしたのは介護の現場である。
自分が見たのは、在宅生活での介護の現場である。その中で気づいたことがある。
それは、「介護者」と「介助者」の違いである。両者は認識のずれを生み、そのずれは両者の距離を引き離す。
介護者が行うのは「介護」、リハビリスタッフが行うのは「介助」である。
介護者は介護のスペシャリスト、リハビリスタッフは介助のスペシャリストだ。
介護は相手に手を差し伸べること。
介助は相手のことを評価し、相手がそこまで手を伸ばせることを予測し、手を伸ばしてきてもらうこと。
お互いの立場や視点を認識せずに、リハビリスタッフが介護者に介助指導を行っても、効果は半減する。
リハビリスタッフも介護者も、お互いのことを知らずに、ただただ一方的に介助指導をしたりすることは間違っている。
リハビリスタッフにも、介護者にも大切なことが、重要視していることがある。
デイサービスや施設、在宅の現場では、とにかく時間に追われる。利用者さんは一人ではない。全員を時間内にお風呂に入れたり、食事を済ませたりとやることが山程ある。一方で、リハビリは利用者さん一人に時間が設けられている。利用者さんのスピードに合わせることができる。
決してお互いのことを理解できないわけではない。
お互いが擦り寄っていかなくては本当の連携はできない。
その一つの形が、地域包括ケアだと思う。